■タイトル     :ソード ■プロジェクトコード:Des Sword ■時代背景、ジャンル:ファンタジー、SF?現代。 ■対象 :少年〜青年。 ■コンセプト: )一つの事象に対し、周囲から回っていくように謎を解き明かしていく。 )科学、宗教などが一つの概念に纏められた世界を構築していく。 )一つの事象を人々がどう捉えているのかを描いていく。 ■ストーリー概要  1995年。  突如として空から光の線が降り、光の先には巨大な礼拝堂の前に翼の生えた少女の姿が現れた。  多くの人々は突然現れた少女に驚き、集まり騒ぎ出す。  その直後……  少女は巨大なエネルギーを発し、周囲一帯を光で包み込み全てを吹き飛ばした。  膨大なエネルギーが衛星にて確認され、それはニュースとなり世界を駆け巡る。  それだけであれば、只の爆発事故として見なされていたのかもしれない。  問題は誰一人として死なず、生存していた事だった。  加えて、人々は光の中、翼が守ってくれたと言い張っていたという点である。  政府が廃墟となった都市を調査した結果、放射能を含むエネルギーが誤差レベルで確認され、強い量子変動と半減期が誤差レベルではない変化を引き起こしていた事。  重力子が一瞬、変化していた事や妙なエネルギーを確認した事だった。  加えて、エネルギーが壁を作っている為に誰も入れず、膨大なエリアはドームの様になっていた。  更に内部を見る事は出来なかったが、計測を行った結果、素粒子の軌道が壁に近い所で急激に、現在も変化している事が確認された。  まるで、別次元を遮断しているかの様にである。 他には少女の写真程度しかなかった。  ANTIと呼ばれる気象災害観測、及び予測を行う会社は証拠を徹底的に集め、以下の結論を出した。  予め存在していたエネルギーが急激に膨張し、爆発したのであり、翼などはエネルギーが変異した事でプラズマ化した為に脳内の電気信号が歪み、そう見えただけではないのかと。  その原因として衛星から放った量子鍵の消息等から、転移を示唆した。  つまり、何かが別の何処か……最低、過去か未来から強大なエネルギーを持つここに転送されたと言うものである。  しかし、それは仮説の段階であり、証明する物は何もなかった。  政府は報告を受理すると、調査の為社員と抱えの科学者を元にした調査チームを派遣する様に要請する。  こういう場合、他政府により構成した安価なチームより、専門の民間機関に寄るスペシャリストに依頼するほうが早いと判断したのである。  社長は直ちに受け入れるも、その条件として調査チーム所属の人間をフリーパスで、尚且つ所持品調査を行わずに入国させる事。  調査手段も問わず、政府が口をだしても良いのは結果のみと言う事を取り付けた。  政府は閣議の結果了承すると、実行の日付を調整した上で、ある存在に連絡した。  彼は、その為に存在しているのだと語った。  バチカン騎士団と一部の科学者は事態を予測していた。  これは、予め予言していた人物がいた為である。  多くの科学者は全く信じなかったが、一方で予兆が確認されたとして僅かな科学者が研究を行った。  世界各所に歌の様なエネルギーが確認された事。  そして、エネルギーが急激に変動していた事だった。  予言を確固としたのは、爆発が起きた場所はそのひとつだったと言う点である。  加えて、生存者の証言から、そのエネルギーと似た物が聞こえたという事が確認された。  逸れは何なのか分からなかったが、変動が20年前から不安定になっている事から、環境変化と特異点との差異が関係している事。  そして、やがて人的な何かが人を襲う事を示唆していたと考える人間もいた。  彼等は来るべき脅威に向けて研究を重ねた結果、アナログライズされた『魂』を媒体にエネルギーとする兵器と、それを使役する人間を作成した。  彼等は古代種である『竜の一族』と呼ばれる存在を元に作り上げられ、多くの犠牲の結果幾つかの存在が作られた。  研究はバチカン政府をはじめ、その兵器を利用したいという小国が出資し、極秘に行われ実行された。  しかし数年前、突如として崩壊する。  成功した唯一の実験体は兵器と共に行方不明となり、研究者は全員死亡。  更にその研究所も、先程のエネルギーで崩壊した上、分署も全て破壊された。  彼によって。  呼ばれた存在は現場に向かう所で呼び出されたと不機嫌になっていた。  社長は現地調査の結果を踏まえ、どう思う見解が聞きたかったと話し、更にデータがあるにこした事がないと説得する。  その上で、サポートを行う予定であると話す。  存在は金だけでいいと話し、切ろうとするが資料に目をやると、興味を持って情報の交換を始める。  ここは礼拝堂に見せかけた研究所であり、現在は研究所として破棄されて礼拝堂として再改築された所である。  そして、その元になったのは特異点であると話す。  転移された理由は、そこに引き寄せられたからではないかと話し、機密保持の為に何かを引き寄せ爆発させたのではないかと話す。  だが、それならば周囲の人間が死んでいてもおかしくはない。  存在は落ち着いた上で予言にある事態であれば憂慮すると行ってバチカンへ装を取りに社長と共に向かう。  会社から連絡を受けた存在がバチカンに足を踏み入れ、装を取りに来たと言う。  バチカンは予言の時が来たと言って装を取り出すも、予言を機密扱いとし、更に発言を控えていたバチカンの体制に苛立つ。  バチカンは混乱を起こしたくなかったといい、予言にある脅威を排除する依頼を出す。  条件として全ての咎の無効、そして多大な報酬と特権である。  存在はありえないと言いながらも、嘘ではない可能性を話す。  もし、何もなくとも脅威は存在しなかったとみなし、全ての条件を与えられると話す。  彼はすんなりと受け入れ、立ち去る。  直後、司祭からある依頼を受ける。  それは、災いを起こしたという少女を救って欲しいと言うものだった。  見もしないものを救う、殺すと言う矛盾した依頼をされ、呆れるもできればと言って現場へと向かっていく。 ■世界観: )予言  来るべき脅威により世界は恐怖に晒されるといった物。  よくある当てのない予言ではなく、エネルギーの変動や特異点の確認、異常気象などの統計から出された『科学的』な予見であり、オカルトのそれではない。  殆どの科学者はラプラスの魔を理由に拒否したが、一部の科学者はこれを支持。  排除の為に研究を行うが、数年前に突如として壊滅した。  バチカンはこれを真っ先に支持したが、脅威が現実となった時には沈黙した。  これは混乱を起こさないというより、事態に対して排除と言う、博愛主義思想に反する行為に当たる為である。 )研究  来るべき脅威の排除の為、その兵器と人員を開発する計画。  一部の科学者と、兵器利用を目論んだ弱小国家により行われた。  主に『魂』の解析とその利用であり、副産物としてエネルギー確保のシステムを作り上げた。  しかし、その実験は倫理的な危険を伴い、数多くの犠牲を作り出した。  皮肉にも、成功した実験体とその協賛者により研究者共々壊滅され、弱小国家は沈黙。  国連も事態の大きさゆえに黙殺した。  しかし、これを面に引きずり出すべく、様々な証拠の回収を行っている。   その一つがANTIである。 )ANTI  元々は世界の気象予報を行う組織であったが、現在は災害対処、及び予防と予知を行う世界最大の組織となっている。  民間会社であるが、世界各国の国家とも連携していて、災害調査、解析のエキスパートが集う。  また、各国家から出資を受けている特異な組織なのも特徴。  今回の脅威に対して、政府が真っ先にここに調査を依頼したのもここである。  表向きはそのような組織であるが、裏では研究を表に引きずり出すために様々な行為を行っている。  ANTI(反発)にもこのような意味が取られている。  尚、社長は殆どそれらしい仕事を行っていない様に見えるが、これは各国家の状況に対しては各国家の人間に任せたほうがよいという理由に加え、彼自身はエージェントとしての方が向いていると言う理由からである。 )バチカン  国家。  研究に出資していた国の一つであるが、表向きには黙っていた。  これは博愛主義の思想に反する為である。  法王が政治的な権限を持つなど、宗教の側面が強い国である。  研究員がいない今、装の解析と整備を行える唯一の国家であり、ここに装を預けてある。 )装  研究で開発された兵器。  剣と銃に変形できる武器であるが、『魂』という不安定な物をエネルギーとし、更に制御を行う為に技術上の負担が大きく、巨大化してしまった。  限界から『魂』の純度が高い状態になるとリミッターが掛かる。  剣としては突きが出来ず、銃としては射程がないという欠点だらけの武器で、これは無理矢理設計を統一してしまった事や、出来損ないの試作品しか研究所内に残っていた為とされる。  現在はバチカンが保管、解析している。  また、少女も同系統の武器を転送しているが、これはこの装を解析した上で製造した『再設計、改良型』である。 )『魂』  生命が内包している物で、死後肉体より開放されて別の世界へと向かうとされる。  この力を解析し、研究していく事で装を製造できた。  古代の人間はこれを当たり前に使用できたが、物質に依存していくに従いこの力を失っていった。  テクノロジーに依存した人が再びこれを解析、行使するのは難しく、研究には膨大な時間が掛かった。  少女が平然と使用できるのは、それが『ある』事を前提に作られた為で、現代で難しいのは『懐疑的』な状態で作られた為である。  羽の様に見えるのはエネルギーの放出よるものであり、そう見えるだけの話である。 ■ 登場人物 1 主人公  女、18歳  若くして大学を飛び級で卒業、同時に博士号を取得したANTI所属の科学者。  分野は主に霊科学、超心理学など。  冷静な分析を行う一方、事態に対して現場への急行を第一とする現場主義である。  その正体は研究に寄り作られた実験体であり、古代種の遺伝子を元に解析されて作られた唯一の成功例。  そして、研究所をはじめとする関連施設や人員を全て破壊、殺害した人間である。  その為、危険視されてはいるが各国家が出資したという関係上、触れてはいけない事項として黙認され、彼女の真実は表ざたにはなっていない。  また、その関係上通常立ち入り出来ない弱小国家や軍事国家に対して独自のパイプを持っている。  ANTIが設立される前に現在の社長と出会い、以後共に脅威に対する研究を続けながら差さえあっている。  経歴は全てANTIが捏造した物であるが、知識がないわけではなく寧ろ、他の学者を上回る判断力と解析力を持っているため、誰も疑おうとはしない。  抹殺を行う理由は『押し付けられた使命から独立する』事であり、同時に『自らの存在意義』を求め研究するという理由もある。  装を使いこなす技量と、『魂』を使いこなす能力を持っていて、彼女に肉薄した。  見た目明らかに美女であるが気高く、男勝りで女性らしい言葉を一切話さない。  少女に『始祖』と呼ばれる。 2 社長。  26歳、男。  ANTIの社長。  元々は神童と呼ばれた程の天才剣士だったが、過去に地元で起きた震災により家族を失い、力の無力さを知る。  以後救う為の力を求め、遺体となった富豪の戸籍を盗んで成り代わり、金をせしめてANTIを設立、拡大させた。  脅威の研究過程で友である主人公と出会い、以後パートナーとなる。  1企業でしかないANTIが世界規模にまで大きくなったのは、彼女のコネと彼の財力によるところが大きい。  現在は経営を殆ど行っていない、所謂名前だけの存在となっているが、これは多忙の上に各国家内の事態は各国家の人間に任せるべきという方針に従っているからである。  主人公と似た物同志からか、現場主義の性格でありながら、独自の冷静さを持っている。  因みに戸籍が入れ替わっている事はほぼばれていて、彼自身も認めているが、慈善財団として確立したANTIを解散させる訳には行かないので、事実上黙認されている。(但し国外追放となっていて、祖国に戻る事は出来ない) 3 少女。  14才、女性。  突如舞い降りた後、周囲一帯をシールドした。  予言にある『来るべき脅威』とされ、排除を促された。  主人公と似た『精神兵器』と呼ばれる力、そして似た武器を使用する。  その正体は2270年から来た純粋戦争末期にGOAと呼ばれる研究施設群で作られた実験体で、全てを失った世界と自らに絶望。  更に死期が近い事を悟り、未来へ警鐘を鳴らして死ぬ為転移装置を使い現れた。  特異点に降りた上、似た力を持つ主人公を見て自らの始まりである『始祖』と捕らえ、これを排除する事で精神兵器の更なる開発を止め、破滅の未来を止めようとする。  世界を破滅させる力を持つとされるが、実際には転移装置に使うエネルギーと、自らの生命維持にこの力を使っている為、その力は殆どない。  それでも脅威ではある。  絶望だけの世界に生きていた為、悲観と慈愛、救済が混じった言動をする。 4 司祭  バチカンの司祭。  装を解除するキーを持つ少女を部下に持つ。  淡々とした性格で、意外に現実主義であるが少女に振り回されている。  連絡を取った際、退去を命じられた主人公達を奥まで案内し、バチカンの内情を話す。 5 部下。  部下の少女。  感受性が強く、霊能力を持つ。  少女の悲しみを感じ取り、装を受け取り出て行く時に少女を救うように依頼する。