ウィキメディア・カンファレンス・ジャパン 2009で財団・Jay Walsh氏、国会図書館長・長尾真氏が講演。
参加・発表・当日スタッフも募集中!詳しくは公式サイトへ。

イグノーベル賞受賞者の一覧

提供: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

イグノーベル賞受賞者の一覧は、第1回(1991年)から現在までの、イグノーベル賞受賞者の一覧である。

  • イグノーベル賞は、4例(1991年の創作された架空の3例、ならびに1994年の誤報に基づき選ばれた1例。どちらもここには記載していない)を除き、すべて実在の業績に対して授与されている。
  • 受賞者の所在地および肩書きは、すべて受賞当時のものである。また、イグノーベル賞は、「本家」ノーベル賞と異なり、故人の業績に対しても授与されている。本文中、「故~」と記載されている受賞者は、受賞時点で既に故人であったことを示している。
  • なお、各賞に対して、説明を要すると思われる事項については若干の説明を付している。


1991年 - 1992年 - 1993年 - 1994年 - 1995年 - 1996年 - 1997年 - 1998年 - 1999年 - 2000年 - 2001年 - 2002年 - 2003年 - 2004年 - 2005年 - 2006年 - 2007年 - 2008年 - 2009年 -

1991年 [編集]

  • 化学賞
    • ジャック・ベンベニスト (多作な改宗勧誘者にして、ネイチャーへの熱心な寄稿者)
      が知性的な液体であるというしつこい発見と、水はある出来事の痕跡が完全に消滅した後、しばらくたってもそれを覚えていられるという、彼のお気にめす結果を立証したことに対して。
      ホメオパシーの根拠となるような論文を国際的な学術誌ネイチャーに掲載したことを指している。(後に反証実験が行われ、ベンベニスト博士の実験には再現性がないということが確認されている。)
  • 医学賞
    • アラン・クリガーマン (消化補助剤とガス除去剤の考案者、「ビーノ」の発明者)
      膨張感・おなら・不快感ならびに気恥ずかしさを防ぐための「対ガス液」を用いた、彼の先駆的な仕事に対して。
  • 教育賞
  • 生物学賞
  • 経済学賞
  • 文学賞
    • エーリッヒ・フォン・デニケン (未来の語り手、『未来の記憶』の著者)
      人間社会が古代宇宙人からどのくらい影響を受けていたかを説明したことに対して。
      一連の著作で古代文明が宇宙人の影響によって創造されたと主張。"宇宙考古学"を主唱した。
  • 平和賞

1992年 [編集]

  • 医学賞
    • F・カンダ(神田不二宏)、E・ヤギ、M・フクダ、K・ナカジマ、T・オオタ、O・ナカタ(資生堂横浜研究所)
      彼らの先駆的な開発研究、『悪臭の原因となる化学物質の解明』に対して。特に「自分の足が臭いと思っている人の足は臭く、思っていない人のは臭くない」という結論に対して。(参考文献 Kanda F, Yagi E, Fukuda M, Nakajima K, Ohta T, Nakata O. (1990). “Elucidation of chemical compounds responsible for foot malodour”. British Journal of Dermatology 122 (6): 771-776. PMID 2369557.
  • 考古学賞
    • エクレルール・ド・フランス(Eclaireurs de France) (「道を示す者たち」を意味する名前をもつプロテスタントの若者グループ、落書きの洗浄者)
      フランス・ブルニクエール村近くにある、メイリエレス洞窟の古代洞窟壁画を消したことに対して。
  • 経済学賞
    • ロイズ・オブ・ロンドン投資家 (300年間の鈍く慎重な経営の相続人)
      仲間の損失への支払いを拒否することによって、災害保険を引き受けるという大胆な試みに対して。
      1988年から1992年にかけて巨大災害が続出し、規制緩和のあおりで投資目的で加入していた多くのアンダーライター(保険引受人)が多額の損害を負担、破産者が続出した。
  • 生物学賞
    • セシル・ヤコブソン医師 (容赦なく気前のよい精子提供者、精子バンクの多産な族長)
      簡単で、独力でできる品質管理の方法を考案したことに対して。
      優れた資質の男性による人工受精を望む(女性)患者に対し、自身の精液を使って受精させた。このことが発覚し、詐欺および偽証の罪に問われた。
  • 化学賞
    • イベッタ・バッサ (色とりどりのコロイドの作製者)
      20世紀化学における無上の業績、「明るい青色をしたジェル・オー(ゼリーの元)の合成」においての、彼女の役割に対して。
  • 物理学賞
  • 栄養学賞
    • スパムの利用者 (缶入り食料品の勇敢な消費者)
      54年間にもわたる無差別的消化力に対して。
  • 文学賞
    • ユーリ・ストルチコフ (モスクワ有機元素化合物研究所の止めることのできない著者)
      1981年から1990年の間に948報、平均すると3.9日ごとに1報以上の割合で科学論文を発表したことに対して。
      ソビエト連邦結晶化学者。1926年-1995年。ギフトオーサーシップを参照。
  • 美術賞
  • 平和賞

1993年 [編集]

  • 心理学賞
    • ジョン・マック (ハーバード・メディカル・スクール)
    • デイヴィッド・ジェイコブス (テンプル大学
      宇宙人によって誘拐されたと信じている人たちは、おそらく本当に誘拐されたのであろうという結論に達したこと、とりわけ「誘拐の焦点は子作りである」という結論に対して。
      マックは『アブダクション』の著者でUFO研究家。ジェイコブスはUFO研究史で博士号を取得、『全米UFO論争史』などの著作がある。
  • 消費者工学賞
    • ロン・ポピール (絶え間ない発明家、年がら年中深夜テレビで宣伝している人物)
      「ヴェジ・オー・マティック」、「ポケット・フィッシャーマン」、「ミスター・マイクロフォン」、「殻の中でを混ぜるもの」などの装置によって、産業革命を再定義したことに対して。
  • 生物学賞
  • 経済学賞
  • 平和賞
    • フィリピン・ペプシコーラ・カンパニー。
      億万長者を生み出すコンテストスポンサーとなって間違った当選番号を発表したため、興奮し集まった期待していた当選者80万人を暴徒のように駆り立てて集合させ、フィリピン史上最大の暴動を引き起こしたことに対して。
      1992年にフィリピン・ペプシ社は「ナンバー・フィーバー」というキャンペーンを開始、ペプシに書いてある番号が当たりであれば最高100万ペソ(=4万ドル)の賞金が貰えるというものだった。キャンペーンの成功に気をよくして当選番号を追加したが、この時既に出回っていたボトルの番号(一説には80万本も出回っていたと言われている)を当たりとして発表。ペプシ社は直ぐに訂正したが憤激した消費者は暴動を起こし、フィリピン国内に12あるペプシの工場は消費者に包囲され2名が死亡。38台の運搬トラックが破壊され、一万件以上の訴訟が起こる事態となった。
  • 映像技術賞
    • ジェイ・シッフマン(ミシガン州フラミントンヒル)
      車の運転とテレビの視聴を同時に可能にするための画像映写機「オート・ヴィジョン」を発明した。
    • ミシガン州議会
      オート・ヴィジョンの使用を合法としたことに対して。
  • 化学賞
    • ジェイムス・キャンベル、ガイネス・キャンベル(テネシー州ルックアウトマウンテン、芳香の熱心な配達人)
      匂いを雑誌のページにまでつけられるようにした憎むべき手法、香水を染み込ませた紙片の発明に対して。
  • 文学賞
  • 数学賞
  • 物理学賞
  • 医学賞
    • ジェイムス・F・ノーラン、トーマス・J・スティルウェル、ジョン・P・サンズ・ジュニア (慈愛に満ちた医療従事者)
      彼らの痛々しい研究論文、『ジッパーに挟まれたペニスの緊急処理』に対して。

1994年 [編集]

  • 生物学賞
    • W・ブライアン・スウィーニー、ブライアン・クラフト=ヤコブ、ジェフリー・W・ブリットン、ウェイン・ハンセン
      彼らの画期的な研究『便秘の軍人:米軍内での罹患率』、特に運動の頻度についての数多くの分析に対して。
  • 平和賞
    • ジョン・ハグリン(マハリシ大学科学技術・政策研究所)
      「4000人の訓練された瞑想者は、ワシントンD.C.の暴力犯罪を18%減少させる」という、彼の実験的な結論に対して。
      自然法則党の活動家でもあり、1992年1996年2000年のアメリカ大統領選に出馬している。
  • 医学賞
    • 患者X(元アメリカ海兵隊員、彼のペットである有毒なガラガラヘビに噛まれた勇壮な犠牲者)
      固い決心によって電気ショック療法を使用したことに対して。彼自身の事例では、自動車点火プラグを彼のに装着し、車のエンジンを3000rpmで5分回転させた。
    • リチャード・C・ダート(ロッキー山毒物センター)
    • リチャード・A・グスタファソン(アリゾナ大学健康科学センター)
      彼らの十分な根拠をもつ医学論文、「ガラガラヘビの噛み傷に対する電気ショック治療の失敗」に対して。
  • 昆虫学賞
    • ロバート・A・ロペズ(ニューヨーク州ウェストポート、勇敢な獣医師、大小すべての生物の友)
      から採取した耳ダニを自分の耳に入れ、結果を丹念に観察・分析した一連の実験に対して。
  • 心理学賞
  • 文学賞
  • 化学賞
  • 経済学賞
    • ジャン・パブロ・ダヴィラ(チリ金融先物取引の疲れを知らないトレーダー、州所有コデルコ・カンパニーの前従業員)
      「売り」としたかったときに、「買い」とコンピュータに命令したことに対して。
      ダヴィラは、この後損失を埋め合わせようと更にハイリスクの取引を行い、最後にはチリ国民総生産の0.5%相当を失った。そのためチリでは「物事を完全にヘマする・滅茶苦茶にする」という意味の新しい動詞「ダヴィラする(davilar)」という造語が出来た。
  • 数学賞
    • サウス・バプティスト教会(アラバマ、道徳の算術的な計量家)
      もし人々が悔い改めない場合、どのくらいのアラバマ州住民が地獄に行くかをごとに見積もったことに対して。

1995年 [編集]

  • 栄養学賞
    • ジョン・マルチネス(アトランタ、J・マルチネス株式会社)
      世界で最も高価なコーヒー「ルアク・コーヒー」に対して。
      詳細はコピ・ルアクを参照。インドシナに生息する山猫に似た動物「ルアク」が消化し、排泄したコーヒー豆から作られる
  • 物理学賞
    • D・M・R・ジョージェト、R・パーカー、A・C・スミス(イギリス、ノリッジ)
      ぐちゃぐちゃになった朝食シリアルの精力的な分析に対して。これは『朝食のシリアル・フレークの圧縮挙動における水分の影響についての研究』と題する論文として発表されている。
  • 経済学賞
  • 医学賞
    • マルシア・E・ブーベル、デイヴィッド・S・シャンナホフ=クァルサ、マイケル・R・ボイル
      『片側だけに強制された鼻孔呼吸が認識力におよぼす効果』と題された彼らの研究に対して。
  • 文学賞
  • 平和賞
    • 台湾立法院
      政治家にとって、他国と戦争するよりも、お互いに殴り、蹴り、騙しあう方が、より利益になることの実証に対して。
      台湾では1988年に戒厳令が解除され、1992年に立法院の全面改選が行われた。改選後の立法院では中国国民党民主進歩党の対立が激しく、しばしば与野党議員の乱闘が生中継された。
  • 心理学賞
    • シゲル・ワタナベ(渡辺茂)、ジュンコ・サカモト(坂本淳子)、マスミ・ワキタ(脇田真清)(慶應義塾大学
      ピカソモネの 絵画を見分けられるようにハトを訓練し、成功したことに対して。(参考文献 S. Watanabe et al., "Pigeons' Discrimination of Paintings by Monet and Picasso," Journal of the Experimental Analysis of Behavior," Vol. 63, pp. 165-174 (1995).)
  • 公衆衛生賞
    • マーサ・コルド・バッケニヒ(ノルウェー、トロンドハイム)
    • ルス・ニールセン(デンマーク工科大学)
      彼らの徹底的な研究、『温度への濡れた下着の体温調節反応および熱的快適さに及ぼす影響』に対して。
  • 歯学賞
    • ロバート・H・ビューモント(ミネソタ州ショアビュー)
      彼の切れのよい研究、『患者がワックスの塗ってあるデンタルフロスを選ぶか、あるいは塗っていないものを選ぶか』に対して。
  • 化学賞
    • ビジャン・パクザド(ビバリーヒルズ
      「DNAコロン」および「DNA香水」を創りだしたことに対して。どちらにもDNAはまったく含まれていないが、どちらも3重らせん形の瓶に入っている。

1996年 [編集]

  • 生物学賞
    • アンダース・バーハイム、ホグネ・サンドヴィク(ノルウェー、ベルゲン大学)
      彼らの研究、「エール、ニンニク、ならびにサワークリームが、ヒルの食欲に与える影響」に対して。
  • 医学賞
    • ジェイムズ・ジョンストン(R・J・レイノルズ)
    • ジョセフ・タデオ(U・S・タバコ)
    • アンドリュー・ティシュ(ロリラード)
    • ウィリアム・キャンベル(フィリップモリス
    • エドワード・A・ホリガン(リゲット・グループ)
    • ドナルド・S・ジョンストン(アメリカン・タバコ・カンパニー)
    • 故トーマス・E・ザンデファー・ジュニア(ブラウン・アンド・ウィリアムソン・タバコ・カンパニー社長)
      アメリカ議会で証言するほど、ニコチンに依存性が無いことの不動の証拠を示したことに対して。
  • 物理学賞
  • 平和賞
  • 公衆衛生賞
  • 化学賞
  • 生物多様性賞
    • C・オカムラ(岡村長之助)(名古屋、岡村化石研究所)
      恐竜ドラゴン王女、その他1000以上の、どれも全長0.25mm以下の絶滅した「小さい種」の化石を発見したことに対して。
      本業は名古屋の内科病院長であり、化石収集が趣味であった。70年代~80年代にかけて、東北地方を中心とする地域の3億年前の地層からミニ原人ミニ動物を多数「発見」し、学会で発表したほか著書を世界中の大学や研究機関に贈るなど古生物学界に困惑を巻き起こした。主な著書に、『人類および全脊椎動物誕生の地-日本』がある。
  • 文学賞
    • 「ソーシャル・テキスト」誌の編集者
      彼らが理解できなかった、著者の言っていることに全く意味が無く、さらに「現実なんて実在しないのだ」と主張する研究を、熱心に出版したことに対して。
      物理学者アラン・ソーカルが、ポストモダン哲学者らや社会学者数学理論物理学を理解しないままその用語を出鱈目に流用していることをからかうために書いたイタズラ論文を、当時最も権威あるポストモダン・カルチュラル・スタディーズなどの哲学雑誌であった同誌に投稿し、それがパロディであることを見抜けるかどうかを試した結果、同誌が真面目な論文としてそのまま掲載してしまったこと(ソーカル事件)を揶揄している。
  • 経済学賞
    • ロバート・J・ゲンコ(バッファロー大学)
      財務上の重圧は、破壊的歯周病になる危険のしるしである、という発見に対して。
  • 美術賞

1997年 [編集]

  • 生物学賞
    • 柳生隆視と共同研究者(スイス・チューリッヒ病院、大阪関西医科大学チェコ、脳神経技術研究所)
      人が異なる味のガムを噛んでいるときの脳波パ ターンを測定したことに対して。(参考文献 T. Yagyu et al., "Chewing gum flavoraffects measures of global complexity of multichannel EEG," Neuropsychobiology, Vol. 35, pp. 46-50 (1997).)
  • 昆虫学賞
    • マーク・ホステトラー(フロリダ大学
      自動車の窓で見られるつぶれたの死骸について鑑定した彼の著書、『あなたの車の汚れ』に対して。
  • 天文学賞
  • 情報伝達学賞
  • 物理学賞
    • ジョン・ボックリス(テキサスA&M大学)
      常温核融合、素材元素への変換、および家庭の生ごみ電気化学的ににすることの達成に対して。
      『水素エネルギー入門』などの著作がある。
  • 文学賞
    • ドロン・ウィズタム、エリアフ・リップス、ヨアフ・ローゼンバーグ(イスラエル
    • マイケル・ドロズニン(アメリカ)
      聖書が秘密の隠された暗号を含んでいることを、統計的に発見したことに対して。
      ドロズニンは、日本でも発売された『聖書の暗号』の著者。
  • 医学賞
  • 経済学賞
  • 平和賞
    • ハロルド・ヒルマン(サリー大学)
      彼の著書、『異なる処刑方法のあいだで、経験する可能性のある痛み』に対して。
  • 気象学賞

1998年 [編集]

  • 安全工学賞
  • 生物学賞
    • ピーター・フォング(ゲッティスバーグ大学)
      ハマグリプロザックを与え、彼らの幸せに寄与したことに対して。
  • 平和賞
  • 化学賞
    • ジャック・ベンベニスト(フランス)
      水は記憶を持つだけでなく、その情報を電話線インターネットで送信することもできるというホメオパシー的発見に対して。
      ベンベニストは1991年に続いて2度目の受賞である。
  • 科学教育賞
    • ドロレス・クリーガー(ニューヨーク大学
      セラピューティック・タッチ(看護師患者との物理的な接触を注意深く避けることで、苦しんでいる患者のエネルギー場を操作する方法)の効用を実証したことに対して。
  • 統計学賞
    • ジェラルド・ベイン(トロント、シナイ山病院)
    • ケリー・シミノスキー(アルバータ大学
      彼らの慎重な測定報告書、『身長、ペニスの長さ、ならびに足のサイズの相関』に対して。
  • 物理学賞
    • ディーパック・チョプラ(カリフォルニア州ラホーヤ、善くあるためのチョプラセンター所長)
      人生、自由、そして経済的幸福の追求に適用する際における、量子物理学のユニークな解釈に対して。
      『人生に奇跡をもたらす7つの法則』『迷ったときは運命を信じなさい』などの著作がある
  • 経済学賞
    • リチャード・シード(シカゴ
      彼自身や他の人たちのクローンを作り、世界経済に火をつけたことに対して。
      年間500人を誕生させる「クローン・ベビー・クリニック」構想をぶち上げた不妊治療研究者で、アメリカ食品医薬品局(FDA)のクローン人間研究規制のもととなった。
  • 医学賞
    • 患者Yと、彼の担当医キャロライン・ミル、メイリオン・レウェリン、デイヴィッド・ケリー、ピーター・ホルト(ウェールズ、ニューポート。王立グウェント病院)
      彼らの警告的な医学論文、『5年のあいだ指がうずき、腐敗した臭いを放った男性』に対して。
  • 文学賞
    • マラ・シドリ(ワシントンD.C.)
      彼女の輝ける論文、『発話恐怖に対する防衛としての放屁』に対して。

1999年 [編集]

  • 社会学賞
  • 物理学賞
    • レン・フィッシャー(イギリス・バース、ならびにオーストラリア・シドニー
      ビスケットを食べる前に紅茶などに浸す最適な方法の計算に対して。
    • ジャン=マーク・ヴァンデン=ブロエック教授(イギリスならびにベルギー。イーストアングリア大学、)
      しずくの落ちないティーポットの注ぎ口を作る方法の計算に対して。
  • 文学賞
    • 英国標準協会
      紅茶の正しいいれかたについて、6ページにわたる仕様書(BS-6008)を作成したことに対して。
      正確には「紅茶の試料採取法」[1]
  • 科学教育賞
  • 医学賞
    • アーヴィッド・ヴェイトル(ノルウェー、ストルド)
      検尿の際に患者がどのような容器を選ぶかについて、丹念に収集、分類、考察したことに対して。
  • 化学賞
    • 牧野武(大阪、セイフティー探偵事務所所長)
      妻が夫の下着に用いると不貞行為を検出できるスプレー、「S・チェック」への情熱に対して。
  • 生物学賞
  • 環境保護賞
    • クォン・ヒュクホ(韓国ソウル、コーロン社)
      自ら香りを出すビジネス・スーツを発明したことに対して。
  • 平和賞
  • 健康管理賞
    • 故ジョージ・ブロンスキー、シャルロッテ・ブロンスキー(ニューヨーク市およびカリフォルニア州サンノゼ
      出産する女性を助ける装置―女性を丸いテーブルに固定し、その後テーブルを高速で回転させるもの(米国特許#3216423)―を発明したことに対して。

2000年 [編集]

  • 心理学賞
    • デイヴィッド・ダニング(コーネル大学
    • ジャスティン・クリューガー(イリノイ大学
      彼らの謙虚な論文、『未熟と不注意:過大な自己評価へと導く自分自身の無能力を認めることが、どれだけ困難であるか』に対して。
  • 文学賞
    • ジャスムヒーン(元エレン・グリーヴ。オーストラリア)
      ブレサリアニズム(Breatharianism - 呼吸食主義または不食主義または光食主義)の女性指導者。ある人々は食べ物を摂るけれども、本当はまったく必要ではないのだ、ということを説明した彼女の著書、『光で生きる』に対して。
  • 生物学賞
  • 物理学賞
  • 化学賞
  • 経済学賞
    • 文鮮明師(韓国)
      効率と安定成長を集団結婚産業に持ち込んだことに対して。彼の報告によると、1960年には36組、1968年に430組、1975年に1800組、1982年に6000組、1992年に30,000組、1995年に360,000組、1997年に36,000,000組が結婚している。
      文鮮明師は、統一教会教祖
  • 医学賞
    • ウィリブロルト・ウェイマール・スフルツ、ペク・ファン・アンデル、エドゥアルト・モーヤールト(オランダ、フローニンヘン)
    • イダ・サベリス(アムステルダム
      彼らの輝ける論文、『性交中の男女の性器および女性の性的興奮時のMRI像』に対して。[2]
  • 計算機科学賞
  • 平和賞
    • イギリス海軍
      水兵に実包を使うことを止めさせ、代わりに「バーン!」と叫ばせたことに対して。
      射撃訓練における実弾使用を減らしたことにより、英国海軍はある程度の予算節減を達成した。
  • 公衆衛生賞
    • ジョナサン・ウィアット、ゴードン・マクノートン、ウィリアム・トゥレット(グラスゴー
      彼らの警告的な論文、『グラスゴーのトイレの崩壊』に対して。
      彼らは、トイレの最中に便器が壊れて病院へ運ばれるけが人がグラスゴー市内で増えていることを調査し、その原因を老朽化した陶磁器製の便器が体重に耐えられなかったからだと結論した。またグラスゴーでは多くの老朽化した便器がそのまま使われているため、トイレでのけが人は今後さらに増えるだろうと警告した。

2001年 [編集]

  • 医学賞
  • 物理学賞
    • デイヴィッド・シュミット(マサチューセッツ大学)
      「なぜシャワーカーテンは内側にふくらむのか」という疑問に対する、部分的な解答に対して。[4]
  • 生物学賞
    • バック・ワイマー(コロラド州プエブロ)
      悪臭のガスが広がる前に除去するために、交換可能な炭素フィルターが付いている気密性の下着「アンダー・イーズ」[5]を発明したことに対して。
  • 経済学賞
  • 文学賞
  • 心理学賞
  • 天体物理学賞
    • ジャック・ヴァン・インプ、レクセラ・ヴァン・インプ(ミシガン州ロチェスターヒルズ、布教団体ジャック・ヴァン・インプ・ミニストリーズ[9]
      ブラックホールが地獄の所在地としての技術的要求を全て満たしている、という発見に対して。
  • 平和賞
    • ヴィリウマス・マリナウスクス(リトアニア、グルータス)
      スターリン・ワールド」として有名なアミューズメントパーク(Grutas Park)を創設したことに対して。
  • 技術賞
    • ジョン・ケオフ(オーストラリア、ヴィクトリア州ハウソーン)
      2001年に車輪特許を取得したことに対して。[10]
    • オーストラリア特許庁
      ケオフに開発特許#2001100012を認可したことに対して。[11]
      2001年にオーストラリアは新たに「イノベーション特許」の制度を設けた。しかしイノベーション特許では申請の際に殆ど審査が行われないため、ケオフはこの不備を批判する目的で「環状の運搬補助装置」という名前で特許を申請。その特許明細によれば、車輪はそれまでの運搬方法──「物品を徒歩で運ぶ」方法や「の表面など摩擦係数の低い物体の上をスキーそり」等で運ぶ方法──に代わる画期的な運搬手段で摩擦係数の高い地面の上でも使えるという利点があり、ケオフの特許はオーストラリアで認可されてしまった。車輪の再発明も参照。
  • 公衆衛生賞
    • チッタランジャン・アンドレイド、B・S・スルハリ(インド、バンガロール。国立精神健康脳科学研究所)
      思春期の少年にとって、をほじくることは普通の行動である」という医学的発見を突き止めたことに対して。[12]

2002年 [編集]

  • 生物学賞
    • ノーマ・E・ブビアー、チャールズ・G・M・パクストン、フィル・バウワーズ、D・チャールズ・ディーミング(イギリス)
      彼らの論文『イギリスでの飼育条件下における、ダチョウの人間に対する求愛行動』に対して。
  • 物理学賞
  • 境界領域研究賞
    • カール・クルスツェルニキ(シドニー大学
      『人のへその糸くずについての総合的調査 — 誰が、いつ、何色のを、どのくらいつけたか』を成し遂げたことに対して。
      要するに「へそのゴマ」についての研究。
  • 化学賞
    • セオドア・グレイ(イリノイ州シャンペーン、ウルフラム研究所
      周期表 (periodic table) のたくさんの元素を集め、それらを四脚の「周期表テーブル (periodic table table)」の形に並べたことに対して。
  • 数学賞
    • K・P・スリークマル、故G・ニーマラン(インド、ケーララ農業大学)
      彼らの分析的な論文、『インド象の体表面積の推定』に対して。
      農民と働く家畜としても飼育されているインド象は、適切な投薬量が体重よりも体表面積によって決まることが解った。しかし象の正確な体表面積を求めることは難しいため、ニーマランはCG技術を駆使して研究を重ね、ついに象の前足の太さを計測することで正確な体表面積が推定できることを発見したのである。
  • 文学賞
    • ヴィッキー・L・シルヴァーズ(ネヴァダ=レノ大学)
    • デイヴィッド・S・クライナー(セントラル・ミズーリ州立大学、現在はセントラル・ミズーリ大学に改名)
      彼らの彩りを添える論文、『小論文を読む際に、前もって引いておいた不適当な強調線が与える影響』に対して。
  • 平和賞
    • 佐藤慶太(タカラ株式会社社長)
    • 鈴木松美(日本音響研究所所長)
    • 小暮規夫(小暮動物病院常任理事)
      コンピュータによって自動的にイヌ語をヒト語に翻訳する機械「バウリンガル」を発明し、種のあいだの平和と調和を促進したことに対して。
  • 衛生学賞
    • エドゥアルド・セグラ、ラヴァカン・ド・アステ(スペイン、タラゴーナ)
      猫と犬の洗濯機を発明したことに対して。
  • 経済学賞
    • 次の会社の重役と団体役員、ならびに監査役。
      エンロン、ラーナウト&ハウスピー(ベルギー)、アデルフィア、国際商業信用銀行(パキスタン)、センダント、CMSエネルギー、デューク・エネルギー、ダイネギー、ガズプロム(ロシア)、グローバル・クロッシング、HIH保険(オーストラリア)、インフォミックスKマート、マクスウェル・コミュニケーションズ(イギリス)、リライアント・リソース、レントウェイ、ライト・エイド、サンビーム、タイコ、ウエイスト・マネージメント、ワールドコム、ズィエロ、アーサー・アンダーセン
      ビジネスの世界に数学の虚数概念を応用したことに対して(特記していない企業はアメリカ)。
      いずれも、会計操作による不正を行い米国経済と市場への信頼に打撃を与えた企業群。
  • 医学賞
    • クリス・マクマナス(ロンドン大学ユニヴァーシティー・カレッジ)
      彼の耐えがたく均衡の取れたレポート、『人間と古代の彫刻における陰嚢の非対称性』に対して。

2003年 [編集]

  • 工学賞
    • 故ジョン・ポール・スタップ、故エドワード・A・マーフィー・ジュニア、ジョージ・ニコルス
      1949年に共同で「マーフィーの法則」を考案したことに対して。
  • 物理学賞
    • ジャック・ハーヴェイ、ジョン・カルヴェーノ、ウォーレン・ペインズ、スティーヴ・コール、マイケル・ローレンス、デイヴィッド・スチュアート、ロビン・ウィリアムズ(オーストラリア)
      彼らの逆らい難い論文、『様々な表面上でヒツジを引きずる際に必要な力の分析』に対して。
  • 医学賞
    • エレナー・マグアイア、デイヴィッド・ガーディアン、イングリッド・ジョンスルード、カトリーナ・グッド、ジョン・アッシュバーナー、リチャード・フラッコイアク、クリストファー・フリス(ロンドン大学ユニヴァーシティー・カレッジ)
      ロンドンタクシー運転手のは、他の一般市民と比べて高度に発達していることの証拠を提示したことに対して。
  • 心理学賞
    • ジャン・ヴィットリオ・キャプラーラ、クラウディオ・バーバラネリ(ローマ大学
    • フィリップ・ツィンバルド(スタンフォード大学
      彼らの論文、『政治家の特異的に単純な性格』に対して。
  • 化学賞
    • 廣瀬幸雄金沢大学
      金沢市にある、ハトの関心を惹きつけることに失敗し続ける銅像の化学的研究に対して。
      この銅像は兼六園にある日本武尊像。日本最古級の銅像だが、鋳造当時の技術的制約により、大量のヒ素を使って製造されたため、ハトが寄らず糞害から免れていた。この現象を利用して、人間や自然界にまったく影響を与えない程度の砒素を含んだタイルなどを制作し、鳥害防止に役立てることが期待される。
  • 文学賞
    • ジョン・トリンカウス(ニューヨーク市、ジックリンビジネススクール
      彼を悩ませた色んなことについて几帳面に正確なデータを集め、80報以上の詳細な学術論文として発表したことに対して。
      ショッピングモールの観察』と題する一連の論文。例えば以下のことが取り上げられている。
      野球帽をかぶっている若者のうち何パーセントが、つばを頭の前にでなく、後ろに向けているか」、「歩行者のうち何パーセントが、他の色でなく、白い運動靴をはいているか」、「泳いでいる人のうち何パーセントが、プールの深い側でなく、浅い側を往復しているか」、「ある停止標識のところに来た車の何パーセントが、ほとんど(ただし、「完全に」でなく)停止するか」、「外回りをしている人の何パーセントがアタッシェケースを持っているか」、「スーパーマーケットの「特急レジ」を使っている買い物客のうち、何パーセントが決められた品数を超えているか」、「学生の何パーセントがメキャベツの味を好きでないか」。
  • 経済学賞
  • 境界領域研究賞
    • ステファノ・ギルランダ、リセロッテ・ヤンソン、マグナス・エンクイス(ストックホルム大学
      彼らの必然的な結論の論文、『ニワトリはどちらかというと美人を好む』に対して。
  • 平和賞
    • ラール・ビハーリー(インド、ウッタル・プラデーシュ州
      次の3つの業績に対して。
      1. 法律的には死んでいると宣告されたのに、活動的な人生を送っていること。
      2. 官僚の堕落と貪欲な親類に対する死後遊説を、生き生きと行っていること。
      3. 「死人の会」を結成したこと。
      ラール・ビハーリーは、「死んでいる」というハンディキャップを克服し、どうにかインド政府からパスポートを取得し、賞を受けるためにハーバード大学に 行けるはずであった。しかし、アメリカ政府は彼の入国を許可しなかった。したがって、彼の友人であるマド・カプアーがラール・ビハーリーの代理でイグノー ベル授賞式典に参加し、賞を受け取った。数週間後、賞はインドで行われた特別式典でラール・ビハーリー自身に渡された。
      農夫であったラール・ビハーリーは1976年、銀行ローンの申し込みに行き、そこで彼が法的には死者であることを知らされた。彼の叔父は役所に賄賂を渡し、虚偽の死亡届を作ってラール・ビハーリーの土地を相続してしまったのであった。彼は死亡宣告され財産を奪われた同じ境遇にある100人以上の「死者」たちと接触し「死人の会」を結成し、後に2万人の会員を擁する圧力団体に成長させた。法的死者に対し世間の目を向けさせるため彼は様々なパフォーマンスを行い、2004年までに、死人の会は会員のうち4人の生存を政府に確認させる成果を収めている。
  • 生物学賞
    • C・W・モーライカー(ロッテルダム自然博物館)
      野生のアヒルの中に同性愛屍姦愛好者がいるという、最初の科学的な記録をとらえたことに対して。

2004年 [編集]

  • 医学賞
    • スティーブン・スタック(ウェイン州立大学)
    • ジェイムス・グンドラック(アーバーン大学)
      彼らの発表論文『自殺に対するカントリー・ミュージックの影響』に対して。
  • 物理学賞
    • ラメッシュ・バラスブラマニアン(オタワ大学
    • マイケル・ターベイ(コネチカット大学、ハスキンス研究所)
      フラフープ力学を探索し、解明したことに対して。
  • 公衆衛生賞
    • ジリアン・クラーク(シカゴ高校農学科からハワード大学)
      に落ちた食べ物を食べても安全かどうかについての「5秒ルール」の科学的妥当性の研究に対して。
  • 化学賞
    • イギリス・コカ・コーラ株式会社
      テムズ川の液体を、予防的な理由から消費者が入手できなくなった透明な形態の水「ダサニ」に変換する先端技術に対して。
      ダサニはコカ・コーラ社が世界的に展開するミネラルウォーターブランド。イギリスでは2004年1月に発売されたが、「インデペンデント」紙が3月に、イギリス製ダサニはロンドン南東部のシドカップの工場で水道水から作られていることを暴露。工場ではNASAも使用する逆浸透膜の技術を使った浄化システムで「ピュアな」水を作っていると主張したが、通常「ミネラルウォーター」という言葉から泉水から湧き出る「天然」の水を期待して買っていた消費者は「水道水に高い金を払っていた」と激昂した。さらに政府当局はイギリス製ダサニに発癌性物質である臭素酸塩が含まれており大量に飲めば危険と指摘、コカ・コーラ社は市場から製品を回収しダサニ・ブランドはイギリスから撤退した。さらに水の純化の過程で硬水的味付けのために塩化カルシウムなどを混ぜていた事も判明、ダサニ・ブランドの欧州展開は打撃を受けた。
  • 工学賞
    • ドナルド・J・スミスと、彼の父、故フランク・J・スミス(フロリダ州オーランド)
      ヘアスタイルバーコード頭」の特許(米国特許#4022227)を取得したことに対して。
  • 文学賞
    • 米国ヌーディスト研究図書館(フロリダ州キシミー)
      ヌーディストの歴史を保存し、誰でも閲覧できるようにしたことに対して。
  • 心理学賞
  • 経済学賞
    • バチカン
      信徒のための祈りをインドへアウトソーシング(外部委託)したことに対して。
      アメリカの企業がソフトウェア開発やコールセンター業務を英語人口が多く人件費の安いインドにアウトソーシングし、アメリカ人の職を奪っていることが問題になっている。そのような中、アメリカのカトリック教会でも、聖職者不足に対してインド等にいる聖職者に外注を行い、アメリカの信者達から委託を受けた死者・病気・家族の安息・サンクスギビングなどのための祈りをインドで代行してもらっている。
  • 平和賞
    • 井上大佑(大阪府)
      カラオケを発明し、人々がお互いに許容しあう、全く新しい方法を提供したことに対して(歌によって相手に苦痛を与えるためには、自らも相手の歌による苦痛を耐え忍ばなければならない)。
      井上は1999年に「タイム」誌の『今世紀もっとも影響力のあったアジアの20人』に選ばれている。
  • 生物学賞
    • ベン・ウィルソン(ブリティッシュ・コロンビア大学
    • ローレンス・ディル(サイモンフラスター大学)
    • ロバート・バッティ(スコットランド海洋科学協会)
    • マグナス・ファルバーグ(オルフス大学)
    • ハカン・ヴェステルベリ(スウェーデン国立漁業連盟)
      ニシンがどうもおならでコミュニケーションしているようであることを示したことに対して。

2005年 [編集]

  • 農業史賞
    • ジェームズ・ワトソン(マッセイ大学)
      彼の学者らしい研究、『リチャード・バックリー氏の爆発するズボンの重要性』に対して。
      1931年、ニュージーランドの農村部で突然無差別に男達のズボンが爆発するという怪現象が発生した。あるズボンは真っ二つに裂け、あるズボンはくすぶって煙を上げた。たちまち各地で同じ事例が報告され、ズボン爆発は全国を恐怖に陥れた。原因は、揮発性のある農薬が、綿など天然素材と化学反応を起こして発火したことだと後に判明した。こうした背景には、第一次世界大戦後のニュージーランド農村で出征や都市化などにより人手が減り、発火しやすい過塩素酸ナトリウム含有の強力な除草剤で戦中雑草だらけになった牧草地の除草を手早く行おうとしたことがあるらしい。この事件が農夫のズボンや農薬など、様々な技術を改善させた。
  • 物理学賞
    • ジョン・メインストーンと故トーマス・パーネル(クイーンズランド大学
      1927年に故トーマス・パーネルが始めて以来忍耐強く行われたある実験に対して。ひとかたまりの凝結した粘度の高い黒タールがゆっくりと、ゆっくりとじょうごの中を垂れていく様子を観察した。結果、大体約9年ごとに一滴がおちることが判明した。
  • 医学賞
    • グレッグ・A・ミラー(ミズーリ州オーク・グローブ)
      3種類の大きさ、3種類の固さが選べる去勢犬用の人造代用睾丸「ニューティクルズ」を発明したことに対して。
  • 文学賞
    • ナイジェリアのインターネット起業家たち
      大胆な短編シリーズを創作して電子メールで数百万人の読者に配信し、豊かな個性の登場人物の数々(サニ・アバチャ将 軍、マリアム・サニ・アバチャ夫人、法廷弁護士ジョン・A・ムベキ、その他大勢)を紹介した事に対して。登場人物たちはそれぞれの巨額の富を維持するため に読者にほんの小額の出資を求め、彼らのものである大金へのアクセスが確保できたあかつきには、それを助けてくれた親切な人に分けてあげようというのであ る。
      有名な電子メール詐欺「ナイジェリアの手紙」のことである。
  • 平和賞
  • 経済学賞
  • 化学賞
    • エドワード・カスラー(ミネソタ大学
    • ブライアン・ゲッテルフィンガー(ミネソタ大学、ウィスコンシン大学
      「人間はシロップの中と水の中ではどちらの方が早く泳げるか?」という長年の科学的疑問に解を与えるため、念入りな実験を行ったことに対して。
  • 生物学賞
    • ベンジャミン・スミス(アデレード大学、トロント大学、スイス・ジュネーブ・フィルメニッヒ香水会社、フランス・アルシャン・チェムコム・エンタープライズ)
    • クレイグ・ウィリアムズ(ジェームズ=クック大学、南オーストラリア大学)
    • マイケル・タイラー(アデレード大学)
    • ブライアン・ウィリアムズ(アデレード大学)
    • 早坂洋司(オーストラリアワイン研究所)
      131種類のカエルがストレスを感じているときに出す特有のにおいを全部嗅ぎ分けてカタログ化した、骨の折れる研究『においを発するカエルの分泌 物の機能と系統発生的意義についての調査』に対して。(参考文献 B. P. C. Smith et al., "A Survey of Frog Odorous Secretions, Their Possible Functions and Phylogenetic Significance," Applied Herpetology, Vol. 2, No. 1-2, pp. 47-82 (2004).)
  • 栄養学賞
    • 中松義郎(ドクター中松)(東京都)
      34年間、自分の食事を撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を過去にまで遡って分析し続けていることに対して。
  • 流体力学賞
    • ビクトル・ベンノ・メイア=ロコウ(ブレーメン国際大学、オウル大学)
    • ヨゼフ・ガル氏(ローランド・エトヴォシュ大学)
      基本的な物理学の法則を使いペンギンの体内に起こる圧力を計算し、詳細な報告『ペンギンがうんこする際に生じる圧力:鳥類の排便における計算』にまとめたことに対し。

2006年 [編集]

  • 鳥類学賞
  • 栄養学賞
  • 平和賞
    • ハワード・ステープルトン(Howard Stapleton、ウェールズ、マーサー・ティドビル[13]
      十代の若者には聞こえるが大人には聞こえない不快な高周波ノイズを発する電子式ティーンエイジャー撃退機を発明したことに対して。また同じ技術を、十代の学生には聞こえるが大人の教師には聞こえない携帯電話呼び出し音に応用したことに対して。
      店にたむろする少年達に対し、「モスキート」と名づけられた機械を使うことで店内から追い払うことに成功したニュースが世界で報じられたが、この技術は若者によって授業中の電話に逆用されている。
  • 音響学賞
  • 数学賞
    • ニック・スヴェンソン(Nic Svenson)とピアース・バーンズ(Piers Barnes)(オーストラリア国立科学技術研究機構)
      集合写真を撮る際に誰も目をつぶっていない写真を撮るためには、何人いる場合何枚撮れば確実か計算したことに対して。
      (参考リンク:『まばたきのない写真、保証します Blink-Free Photos, Guaranteed』)
  • 文学賞
    • ダニエル・オッペンハイマー(Daniel Oppenheimer、プリンストン大学
      彼のレポート、『必要性と無関係に使用される博学な専門的用語が 導く結末:不必要に長い単語を使うことにおける問題(Consequences of Erudite Vernacular Utilized Irrespective of Necessity: Problems with Using Long Words Needlessly.)』に対して。[14]
      書き方・話し方の入門書では、難しすぎる言葉を使うことは避けるよう薦めているにもかかわらず、大学生の多くは自らを知性的に見せるために複雑な語彙の使用を増やしている。これは複雑な語彙を使用することが本当に知性的に見えるかどうかの実験を行ったレポートである。
  • 医学賞
    • フランシス・M・フェスミア(Francis M. Fesmire、テネシー大学医学部)
      彼の医学事例に関する報告、『直腸に対する指を使ったマッサージによる、止まらないしゃっくりの停止』(1988年)に対して[15]
    • マジェド・オデー(Majed Odeh)、ハリー・バッサン(Harry Bassan)、アリエ・オリーベン(Arie Oliven)(イスラエル・ハイファ、ブナイ・シオン医学センター Bnai Zion Medical Center)
      彼らが続けて発表した医学事例に関する同様の報告、『直腸に対する指を使ったマッサージによる、止まらないしゃっくりの停止』(1990年)に対して[16]
  • 物理学賞
    • バジル・オドリ(Basile Audoly、フランス・パリ、ピエール・アンド・マリー・キュリー大学)
    • セバスチャン・ノイキルヒ(Sebastien Neukirch、フランス・パリ、ピエール・アンド・マリー・キュリー大学)
      乾燥したスパゲッティを曲げると、二つに割れずそれ以上の数の破片になってしまうのは何故か、についての洞察に対して。
      (参考文献:『カスケード状のひび割れによる棒の分裂:なぜスパゲティは半分に割れないか Fragmentation of Rods by Cascading Cracks: Why Spaghetti Does Not Break in Half』、2005年、詳しい映像
  • 化学賞
    • アントニオ・ムレット(Antonio Mulet、スペイン、バレンシア大学)
    • ホセ・ハヴィエル・ベネディト(José Javier Benedito、スペイン、バレンシア大学)
    • ホセ・ボン(José Bon、スペイン、バレンシア大学)
    • カルメン・ロッセーヨ(Carmen Rosselló、スペイン、パルマ・デ・マヨルカ、バレアレス諸島大学)
      彼らの研究、『温度に影響された場合の、チェダーチーズの中を伝わる超音波の速度について』[17]に対して。
  • 生物学賞
    • バルト・ノルズ(Bart Knols、オランダ・ヴァーゲニンゲン農業大学、タンザニア・イファカラ・センター内国立医学研究所、オーストリアウィーン国際原子力機関[18]
    • ルード・デ・ヨング(Ruurd de Jong、オランダ・ヴァーゲニンゲン農業大学、イタリア・サンタ・マリア・デッリ・アンジェリ)
      メスのマラリア、ガンビアハマダラカは、世界有数の臭さで知られるリンバーガーチーズと、人間の足の匂いの両方に、等しく惹きつけられる事を証明したことに対し。
      (参考文献:『人間の匂い、マラリア蚊、リンバーガーチーズについて(On Human Odour, Malaria Mosquitoes, and Limburger Cheese)』、バルト・G・J・ノルズ、1996年)

2007年 [編集]

  • 医学賞
    • ブライアン・ウィットコーム(Brian Witcombe)イギリス、グロスター市(放射線医師
    • ダン・メイヤー(Dan Meyer)アメリカ、テネシー州アンティオク市(協力者、パフォーマー)
      鋭い論文、「を飲み込む芸とその副作用」に対し。
      (参考文献:"Sword Swallowing and Its Side Effects," Brian Witcombe and Dan Meyer, British Medical Journal, December 23, 2006, vol. 333, pp. 1285-7.)
  • 物理学賞
    • ラクシミナラヤナン・マハデバン(L. Mahadevan)、アメリカ、ハーバード大学
    • エンリケ・セルダ・ヴィラブランカ(Enrique Cerda Villablanca)、チリ、サンティアゴ・デ・チリ大学
      シーツに皺がよる仕組みを理論的に解き明かしたことに対して。
      参考文献:
      "Wrinkling of an Elastic Sheet Under Tension," E. Cerda, K. Ravi-Chandar, L. Mahadevan, Nature, vol. 419, October 10, 2002, pp. 579-80. (『弾力性のあるシート張力のもとで皺がよることについて』)
      "Geometry and Physics of Wrinkling," E. Cerda and L. Mahadevan, Physical Review Letters, fol. 90, no. 7, February 21, 2003, pp. 074302/1-4. (『皺の幾何学と物理学』)
      "Elements of Draping," E. Cerda, L. Mahadevan and J. Passini, Proceedings of the National Academy of Sciences, vol. 101, no. 7, 2004, pp. 1806-10. (『ひだの原理』)
  • 生物学賞
    • ヨハンナ・E・M・H・ファン・ブロンズウィック(Johanna E.M.H. van Bronswijk)、オランダ、アイントホーフェン工科大学
      人間とベッドを毎晩ともにするダニ、昆虫クモカニムシ甲殻類バクテリアシダ類藻類菌類ほかあらゆる生物について調査統計を行ったことに対し。
      参考文献:
      "Huis, Bed en Beestjes" [House, Bed and Bugs], J.E.M.H. van Bronswijk, Nederlands Tijdschrift voor Geneeskunde, vol. 116, no. 20, May 13, 1972, pp. 825-31.
      "Het Stof, de Mijten en het Bed" [Dust, Mites and Bedding]. J.E.M.H. van Bronswijk Vakblad voor Biologen, vol. 53, no. 2, 1973, pp. 22-5.
      "Autotrophic Organisms in Mattress Dust in the Netherlands," B. van de Lustgraaf, J.H.H.M. Klerkx, J.E.M.H. van Bronswijk, Acta Botanica Neerlandica, vol. 27, no. 2, 1978, pp 125-8. (『オランダのマットレスの埃の中の独立栄養生物』)
      "A Bed Ecosystem," J.E.M.H. van Bronswijk, Lecture Abstracts -- 1st Benelux Congress of Zoology, Leuven, November 4-5, 1994, p. 36. (『ベッドの生態系』)
  • 化学賞
  • 言語学賞
    • ジュアン・マヌエル・トロ(Juan Manuel Toro)、スペイン、バルセロナ大学
    • ジョゼップ・B・トロバロン(Josep B. Trobalon)、同
    • ヌリア・セバスチャン=ガジェス(Núria Sebastián-Gallés)、同
      ラット日本語の逆さ言葉を話す人とオランダ語の逆さ言葉を話す人とを聞き分けられない場合があることの発見に対し。
      参考文献:
      "Effects of Backward Speech and Speaker Variability in Language Discrimination by Rats," Juan M. Toro, Josep B. Trobalon and Núria Sebastián-Gallés, Journal of Experimental Psychology: Animal Behavior Processes, vol. 31, no. 1, January 2005, pp 95-100. (『ラットの言語識別に対する、逆に言葉を話すことと話者を入れ替えることの効果』)
  • 文学賞
    • グレンダ・ブラウン(Glenda Browne)、オーストラリア、ブルーマウンテンズ、ブラックスランド[20]
      定冠詞 "the" についての研究に対して。および、物をアルファベット順に並べ替えようとする際に "the" が起こす混乱など様々な問題についての研究に対して。
      参考文献:
      "The Definite Article: Acknowledging 'The' in Index Entries," Glenda Browne, The Indexer, vol. 22, no. 3 April 2001, pp. 119-22. (『定冠詞:索引見出しに「the」を認めること』)
  • 平和賞
    • アメリカ空軍ライト研究所、オハイオ州デイトン
      敵兵が互いに性的魅力を感じて同性愛行為を始めるという催淫性非殺傷兵器、いわゆる「ゲイ・ボム」に対する、そそるような研究開発に対し。
      参考文献:
      "Harassing, Annoying, and 'Bad Guy' Identifying Chemicals," Wright Laboratory, WL/FIVR, Wright Patterson Air Force Base, Ohio, June 1, 1994.(『悩ませ、いらだたせ、「悪い男」にしてしまう化学物質』)
  • 栄養学賞
    • ブライアン・ワンシンク(Brian Wansink)、コーネル大学
      被験者には内緒で自動的にスープを注ぎ足す底なしのを使い、人間の食欲の限界を調査したことに対し。
      参考文献:
      "Bottomless Bowls: Why Visual Cues of Portion Size May Influence Intake," Brian Wansink, James E. Painter and Jill North, Obesity Research, vol. 13, no. 1, January 2005, pp. 93-100. (『底なしの皿:なぜ一人分サイズという視覚的合図が摂取に影響を及ぼすか』)
      Mindless Eating: Why We Eat More Than We Think, Brian Wansink, Bantom Books, 2006, ISBN 0553804340. (『無意識の食事:なぜ思った以上に食べてしまうのか』)
  • 経済学賞
    • シエ・クオチェン(謝國楨、Kuo Cheng Hsieh)、台湾、台中市
      2001年、銀行強盗を落して捕まえる装置の特許をとったことに対し。
      参考:
      U.S. patent #6,219,959, granted on April 24, 2001, for a "net trapping system for capturing a robber immediately." (『強盗を即座に捕らえるネット式トラッピングシステム』の特許)
      イグノーベル賞委員会は受賞者を探したが、シエ氏の行方は全く分からなかった。しかし、授賞は台湾の新聞でも報じられHsieh氏は友人から受賞 を知らされ喜び、現地台湾の新聞社とコンタクトを取った。その新聞社からの報せをe-mailで授賞式翌日に委員会が受け取った。氏は現在警備会社を経営 しているため事前の消息確認が困難だった。(2007年10月10日付のSciAm podcastでのMarc Abrahams氏の談話による。 http://www.sciam.com/podcast/index.cfm?e_type=13 )
  • 航空学賞
    • パトリシア・V・アゴスティーノ(Patricia V. Agostino)、アルゼンチンブエノスアイレス州キルメス、キルメス国立大学
    • サンティアゴ・A・プラノ(Santiago A. Plano)、同
    • ディエゴ・A・ゴロンベク(Diego A. Golombek)、同
      バイアグラを投与されたハムスター時差ぼけが通常より早く治ることを発見したことに対し。
      参考文献:
      "Sildenafil Accelerates Reentrainment of Circadian Rhythms After Advancing Light Schedules," Patricia V. Agostino, Santiago A. Plano and Diego A. Golombek, Proceedings of the National Academy of Sciences, vol. 104, no. 23, June 5 2007, pp. 9834-9.

2008年 [編集]

2009年 [編集]

  • 医学賞
    • ドナルド・L・アンガー(Donald L Unger)、アメリカ・カリフォルニア州サウザンドオークス
      60年以上にわたり毎日、左手の指関節を熱心に鳴らし続ける一方右手は鳴らさずにいたことにより、指の関節炎の原因を研究してきた功績に対して。
      (参考文献:"Does Knuckle Cracking Lead to Arthritis of the Fingers?", Donald L. Unger, Arthritis and Rheumatism, vol. 41, no. 5, 1998, pp. 949-50. )
  • 経済学賞
    • アイスランドの4つの銀行―カウプシング銀行ランズバンキ銀行グリトニル銀行、アイスランド中央銀行―の頭取、取締役、監査役たち
      小さな国の小さな銀行が急激に巨大銀行へと膨張することができること、その逆もあることを実地に示したことに対して(また国民経済全体でも同じことができることを示したことに対して)。
  • 物理学賞
    • キャサリン・K・ウィットカム(Katherine K Whitcome)、シンシナティ大学
    • ダニエル・E・リーバーマン(Daniel E Lieberman)、ハーヴァード大学
    • リサ・J・シャピロ(Liza J. Shapiro)、テキサス大学
      妊婦はなぜひっくり返らないのか、分析的に解明したことに対して。
      (参考文献:"二足歩行する人類における胎児荷重と腰部脊柱前弯の進化","Fetal Load and the Evolution of Lumbar Lordosis in Bipedal Hominins," Katherine K. Whitcome, Liza J. Shapiro & Daniel E. Lieberman, Nature, vol. 450, 1075-1078 (December 13, 2007). DOI:10.1038/nature06342.)
  • 化学賞
  • 文学賞
  • 公衆衛生賞
    • エレナ・N・ボドナー(Elena N Bodnar)、アメリカ・シカゴ市
    • ラファエル・C・リー(Raphael C Lee)、同上
    • サンドラ・マリヤン(Sandra Marijan)、同上
      一対のガスマスクに素早く変形させることのできるブラジャー(ガスマスクの一つはブラジャーの使用者が使い、もう一つは傍観者に渡すことができる)を発明したことに対し。
  • 数学賞
    • ギデオン・ゴノ(Gideon Gono)、ジンバブエ準備銀行(Reserve Bank of Zimbabwe, ジンバブエ中央銀行)の頭取
      1セントから100兆ジンバブエ・ドルまでの幅広い額面の銀行券を印刷させることによって、非常に大きな数字にも対応できるようになるための、簡単で毎日できるトレーニング法を国民に与えたことに対して。

参考文献 [編集]

関連項目 [編集]

外部リンク [編集]